文化・芸術

2010.05.09

世界はつながっているのかも

昨日は、忙しくてほとんど一緒にいることができない家のイラン人が珍しく5時に仕事が終わるというので(普段は夜寝る前にちょっと会える位・・・)、家の中とか近所とかでなく、どっかに出かけようということに。

どこに行こうか張り切って考えたものの、不況だしリーズナブルに済ませよう、ということで頭を悩ませながらググってみた。

「無料 イベント」とか「東京 散歩 格安」とか、そんな感じで・・・

で、これだ!と思ったのが、神田明神 大神輿遷座祭。
何のことだって?私も分からなかった。
日本の祭りの中でも、3本の指に入るような大きなお祭りである神田祭の前夜祭のようなもの、という認識のみで、とりあえず夜7時に開始だから行ってみよう、ということでお茶の水駅で待ち合わせ。

神田明神に行くのは初めてだった。
そういや、彼と付き合ってから、武蔵御嶽神社の神楽も見に行ったし、よく参拝にも行くし、何だか神社づいてる感じだ。

時間もあるので、参道横にある甘味処の「天野屋」さんでクリームあんみつを堪能。所狭しと骨董品が置かれた店内はレトロ感いっぱいで、日常とはちょっと離れた異空間ワールドを満喫できる。根津千駄木界隈の雰囲気が好きな方にはオススメ。

前知識ゼロで行った神田明神だけれど、それはそれは幻想的、神秘的で素敵な儀式だった。

カメラ小僧みたいなマニア(神社マニアなのか?)が夢中になってシャッターを押してたのに触発され、頑張ってはみたものの、やっぱり自分の目でしっかり見ておいた方が楽しかったのであまり写真は撮れなかったけど・・・
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行われた儀式は、大神輿にご祭神(お御霊)をお乗せする、というもので、ご祭神は人の目に触れることは許されないので、白装束を着た神職が白い布に覆われた枠の中に入り、大神輿がおさめられている奉安庫までズラリと並んだ神職たちが行進する。

雅楽の調べと松明の灯りに導かれながら、暗闇の中移動する様は本当に神秘的。

この儀式の由来や意味について全く知識がないまま見たのが残念。分かっていたらもっと意義深く体験できたのに。

日本に古くから伝わるこの儀式、最近すっかりマイブームになってしまったエチオピアの文化に非常に近いものを感じる。(今度エチオピアについてはゆっくりここに書こうと思ってる。)

エチオピアにはまってしまったきっかけは、前にも書いたけれど、ファラシャと呼ばれるエチオピアのユダヤ人の中に伝わる音楽を研究した『エチオピア音楽民族誌』を読んで、独自の色濃い文化に衝撃を受けたからだ。「十戒」でお馴染みの、モーセが神との契約のしるしに授けられた石板を収めた聖櫃(タボット)が、なんとエチオピアにあるという伝説があるのだけれど、エチオピアでは年に一度、各教会がタボットを持って行進しながら信者たちが大集合するのだ。もちろん、各教会に置かれているタボットはレプリカだけれど、アスクムという地に眠っているタボットは本物と信じられている。

書籍『エチオピアのキリスト教-思索の旅』を読むと、そのことが詳しくフィールドワークされているので面白い。

この本を読み終えたばかりだったので、大神輿遷座祭を見た後の私は「どこの国の宗教も似たり寄ったりなんだね!!なんだかエチオピアと儀式の様子がそっくりだもん!」とイラン人(もちろんイスラム教)相手に連発して感想を主張していたのだが、さっきwikipediaを読んでギョっとした。

「神輿」の項にて。
読み進めてみて、「神輿の起源」の最後の部分に書いていた一文が

中には、契約の箱と神輿の類似点から、ユダヤ教徒あるいはその文化が日本に伝来したものとする説もある。

とあるじゃないか。

うーん、歴史って不思議。
何でユダヤと日本が繋がっているんだろうか・・・

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2010.04.17

エチオピア音楽民族誌 -ファラシャ/エチオピア正教/望郷歌 を読んで

以前から手元にあった『エチオピア音楽民族誌』をようやく読んだ。

ケイ・カウフマン・シェレメイ氏というアメリカの音楽民族学者によるエチオピア音楽の著書なのだが、学術書というより、スリリングな小説を読んでいるような気分にさせてくれる非常に面白い本。
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著者はエチオピア音楽の研究のため現地にフィールドワークに赴くのだが、そこで知り合ったイエメン、アデン出身のユダヤ人の大富豪と恋に落ちて結婚。エチオピアで研究活動を続けて彼と暮らすことを決意するのだが、結婚して間もなくエチオピア革命が勃発。当時のエチオピア激動の時代に翻弄された著者本人の実体験をベースにしながら音楽体験を綴っていくわけなのだが、彼女の劇的な人生に驚きながら、恋に落ちたあたりから急ピッチで読んでしまった。

私たち日本人にとってはエチオピアといっても飢餓とかマラソンとか位しか連想できない、とっても遠い国。
その国の歴史がどうなっていたかとか、70年代に起こった革命とか、さらにはエチオピアに住むユダヤ教の人々についてなんて全然知らなかったけれども、この本のお陰で様々なことが勉強できたし、エチオピアの歴史や文化にも興味が湧いた。

アメリカのお嬢様がエチオピアのゴンダールという村でたった一人で熱心にフィールドワークを行う様には読んでいてビックリだったけど、ここに書いている以上に強烈な経験をしたはず。
特に男尊女卑甚だしいエチオピアの文化の中で、逞しくも研究に没頭しているのには敬意を表する。

ちなみに素朴な疑問だけど、彼女がエチオピアで結婚相手を見つけた際、彼女の両親や兄弟はどういう気持ちだったんだろうか?しかもエチオピアに暮らしたい、という意見にすぐ同意できたんだろうか?


ところで、女性が単身フィールドワークに行く・・・ということだけど、経験者は知っていると思うけど、女性研究者(見習い・学生も含めて)がアフリカとか中南米とかアジアとかの奥地で真面目な気持ちで音楽に接しようとすると、おそらく必ずと言っていいほど悩まされるのが、現地の男性たち。
相手も研究者だったら熱心に対応してくれるんだけど、ミュージシャンやダンサーとなると、何だかいろんな下心が入り混じった感じで接してくるからめんどくさくなる・・・
その上キューバ人ときたら、元々あんな性格なもんだから、真面目に音楽を調査したいのに、いつの間にか酔っぱらって踊って終わっちゃった・・・ってことが多々あった。恥ずかしいが、単に遊びに行ってるのとなんら変わらない。

この本の訳者である柘植元一先生は私の大学~大学院時代の音楽民族学の恩師でもあり、この本は先生から贈呈頂いたんだけど、著者ケイ・カウフマン・シェレメイ氏までの道のりは遥か遠いけれど、身を引き締めて頑張ります。

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2010.03.22

ユネスコ主催「第1回未来遺産運動記念式典」

最近ちょっとマイブームの「世界遺産」にあやかって、
未来遺産運動の記念式典なるものに参加してきた。

ほとんど前知識もないまま行ったんだけど、知らなかった分
ものすごく新鮮で思った以上に楽しかった!

昨年発足された「未来遺産運動」とは、ユネスコHPによると

100年後の子どもたちに長い歴史と伝統のもとで豊かに培われてきた地域の文化・自然遺産を伝えるための運動です。

というもので、要するに国内の地域に根差した自然や文化遺産を見直して保存・伝承・活性化して未来へつなげていこう!ということ。

今日の式典では主に「第一回プロジェクト未来遺産」に選定された10の団体のプレゼンテーション&授与式だったんだけど、各10団体それぞれの熱い思いがじんじんと伝わってきて感動的だった。

http://www.unesco.jp/mirai/about/basic_pro.html

日本って、豊かな自然や文化や伝統があるんだね・・・って今更ながら気付かされた感じ。地域ごとに違った特色の文化は興味深いし、美しい自然も豊かだし、世界に誇る伝統も息づいてるし。

多彩な10の団体の中でも最も気になったのが「日本の記憶が息づくOKIを守り伝えるプロジェクト」
OKIって、隠岐のこと=島根県に浮かぶ島々。
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独特に形成された希少な自然に、舞や神楽など無形文化財など
文化資源の宝庫みたい。今まで全然知らなかった!!!

過疎化が急速に進む地域がたくさん存在していて問題になっている昨今、こうした運動によって町が蘇るって素晴らしいことだ。

よい勉強になりました。

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