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2010.08.08

ハバナ・ラカタン

Rakatan
『ハバナ・ラカタン』初日公演を観に行ったのに、感想書くの遅くなってしまった。
ネタバレになってしまうので、あまり詳しく知らないまま舞台を観たいという方は読まないで下さい。

ロス・バン・バン来日公演~ラカタンと連続してキューバばっかり体験したせいで、先週からなんだか望郷の念に駆られてちょっと変な気分。

96年か97年頃に一緒にキューバに行った友人と公演を観て、その時知り合ったダンサー、ミサエル・マウレの10数年ぶりの雄姿を観て感激してしまい、当時の写真を引っ張り出して思い出にふけってました・・・

事前にプロモ用DVDとかを観て、ラカタンの内容はだいたい分かっていたんだけど、やっぱり生は違う!本当に良かった。

ダンスとか音楽はやっぱり生に尽きる。映像だとその魅力が何分の一(何十分の一?)かに減ってしまう。

構成は、多種多様なキューバ音楽の歴史を追っていくもので、代表的なダンスはザっと網羅した感じ。

ハバナのマレコンをバックに若い男女のダンスが繰り広げられるシーンで始まる。「キューバの文化は海を渡って港から入って来た」ということを伝えたいようだ。キューバを訪れたことのある人なら、誰しもマレコンの情景を見て特別な想いがこみ上げてくるはず。

次は、「アフリカとヨーロッパの混血性」を強調したいという制作側の意向が感じられた。女性フラメンコダンサーと布切れのような服を身にまとった原始的な黒人たちのダンスとの対比。フラメンコを踊っているのに、その音楽はアフロだったりとちょっと興味深い。
バンド“トゥルキーノ”はソンのグループと認識していたのに、ヨルバやパロなどアフロ系の演奏も素晴らしい。見事なリズム・アンサンブルだった。

荒々しいダンサーたちが長い棒を持って戦いを挑んでいるようなダンス、何だか懐かしい!キューバのフォルクロール系のダンス・ショーでよく観ていた情景を思い出す。同じ人間なのにどうしてこうも違う動きが出来るんだろう・・・と、何だか自分とは別の生き物のように思ってしまうキューバ人の肢体、筋肉、そしてリズム感。

そして舞台は田舎の情景へと変化する。ふわっとしたスカートの女性と田舎の兵隊のような男性たちがグァテーケを繰り広げる。グァテーケとはキューバの農民たちが近所や親せきの皆を集めて開く田舎のパーティ。そこではサパテオ、ドニャ・ホアキーナ、スンバ・アントニオ、カリンガなどといった、キューバでもほとんど観ることのできないダンスが堪能できる。その後はお待ちかねの(!?)チャングイ。キューバの大衆音楽はフィエスタから生まれたということが実感。もちろんソンもそうして生まれた。お馴染み「チャンチャン」で、トゥルキーノの演奏も魅力的!

その後は女性歌手がグァヒーラの歌を熱唱し、舞台は都市へ。田舎の男女が恋に落ちてハバナにやってきた、という物語のようだ。

ハバナの下町の情景。洗濯おばさんがいたり、ピーナッツ売り(manicero)がいたり、若者のケンカがあったり・・・ハバナの街は雑多でうるさくて濃くて汗臭て面白い。この雑多性がハバナの魅力でもあるんだよねぇ。

このシーン後半に出てくる酔っぱらい踊りが最高!ある意味、最も難しいダンスなのかも・・・あんな動き、どんなに頑張っても絶対に真似できない!

・・・ここで休憩・・・

ACT2へ。

舞台は一転してきらびやかなキャバレー。都会のダンスホールで歌えや踊れの黄金時代。マンボ、ボレロ、グァラーチャ・・・華やかで、ある意味キューバのダンスレビューで最も頻繁に取り上げられる内容のシーン。

時代は50年代以降、チャチャチャの大ブーム到来。このチャチャチャの曲、素敵。私もこの時代にキューバに生きていたかった!街中どこもかしこもチャチャチャだらけなんて楽しすぎる。

そしてお待ちかねのルンバへ!キューバ音楽の魅力にはまった人は大抵ルンバが好きなはず(と私は勝手に思ってる)。これぞキューバ音楽の本髄だし、ダンサーの魅力が最大に発揮される場面。ヤンブー、グァグァンコー、コルンビアと、ルンバの要を上手く表現している流れ。トゥルキーノの演奏、ルンバも素晴らしい。

いよいよクライマックスへ。定番曲「パレ・コチェロ」のワクワクする演奏で客席もそわそわし出す。サルサ調やレゲトンっぽいナンバーの演奏でダンサーもハジける!で、最後は観客も総立ち!

うーん、もっとアンコール続いてハジけたかった!まだまだ続きが観たい!というようなあっという間のステージ。トゥルキーノの演奏ももっともっと聴きたかった・・・

キューバ本来の各ジャンルのダンスの動きの上に、かなりコンテンポラリーも加味した振付は新鮮。さすが海外公演を重ねているだけあって、洗練した内容でキューバ音楽をよく知らなくても楽しめる構成になっている。ダンサーの肉体ととんでもない動きに見とれているだけで精一杯な位。

11日は公演前に簡単なキューバ音楽のレクチャーを担当することになりました。ラカタンに関係するジャンルの説明の他、キューバで体験した音楽・ダンス事情などをお話しします。

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